【謎企業】Skyという聞き慣れない企業が理系男子の就活企業ランキングで上位を取る理由

国内就職・転職系

Sky株式会社という企業を聞いたことはありますでしょうか。社会人の方なら1度は聞いたことがあるかもしれません。あのSky client viewという会社PCに入っているセキュリティソフトを作っている会社です。監視システムを兼ねているため、働く社員にとっては嬉しくないソフトの代表格ですが、あのような自社パッケージソフトを売っているのが1つと受託開発で様々な領域を手掛けている会社です。

ここまでの話だけでも就活生がSky株式会社を知るキッカケはありません。しかしながら、理系男子の就活人気企業ランキングでは7位マイナビ調べ)であり、キヤノン、パナソニック、日立製作所、任天堂、ニトリ、サントリーグループ、本田技研工業等々の各業界の名だたる企業よりも人気を博しています。

シンプルに不思議です。
・どういったキッカケで学生に認知されるのか
・認知した学生がどこに魅力を感じるのか
・魅力を感じて選考に進んだ学生の内、誰が入社できるのか
という段階を踏みながら解説していきます。

既成事実としてSky株式会社は人気企業ランキングで上位を獲得しています。
その理由を知れば、就活の際に役立つ情報も得られるかもしれません。

目次

Sky株式会社はイメージ戦略と投資のタイミングがうまい

Sky株式会社は
・自社パッケージを企業向けに販売
・各企業のIT請負業務
が主なところであり、これだけみると「お堅い企業なんですね」「探せば同じような感じがありそうな企業…?」というイメージを持つのが普通だと思います。間違っても任天堂のようなクリエイティブな感じはしないですし、楽天グループ株式会社のようなイケてるIT企業感もしません。

Sky株式会社は自分たちのイメージを理解しているからこそ、そのイメージを上手く転換させることに向き合っていると思われます。

というのも、Sky株式会社の主な競合は「富士ソフト、SCSK、TIS、大塚商会、ジャステック」と言われています。そのあたりの企業を知らない方からすれば「なんか開発しているIT企業なんでしょ」ってイメージだと思います。しかしながら、Sky株式会社は同じイメージにはなっていません。色々調べたところ、Sky株式会社が自社イメージがよくなるように上手いタイミングでお金をガンガン投資していることが分かりました。

採用活動にかけているお金が違う

学生がSky株式会社を知るキッカケはマイナビやリクナビが主なところだと思われます。
なぜなら、例えばマイナビを開いた時に2スクロールくらいすると下記のような画面になります。

PR枠としてSkyの広告が表示されます。こういった枠は有料枠として販売されているのが殆です。
「よりお金をかけて企業認知したくないですか?」
といったトレード・オフで広告枠が売られているわけですが、Sky株式会社はこういった就活生への認知に対して他の企業とは比べものにならない投資をしていると思われます。

また、Sky株式会社の中途採用においても社員インタビュー欄があります。
ここでは、Sky株式会社を知ったキッカケについて語られています。主なキッカケは
・転職エージェントからおすすめされた
・転職サイトで見つけた
・転職フェアで知った
・Sky株式会社で働く友達から評判を聞いた
といった感じです。こういった転職系サービスに対しても積極投資していることからも、採用活動にお金をかけているのは間違いないと言えます。

適切なタイミングで広告宣伝費を惜しまない(主にCM)

Sky株式会社はtoBでビジネスをしているため、普段の生活で知ることはありません。そのため、多くの人に認知を取るためには何かしらの方法をとらなければなりません。その手法としてCMを用いています。

CMは爽やかな色合いに正統派の俳優を用いています。私が推測するに、CMによる収益を見込んでいるとは思えず、
・就活生に対しての認知をとる
・就活生の親御さんに対して正統派の良い企業というイメージを与える
・「Sky株式会社に受かった」という友達同士の話になったときに「あーあのCMやってるやつ?」という会話がでるようにしている
が主な目的だと読んでいます。

Sky株式会社は上場していない

Sky株式会社は「当社はあえて上場していません」と代表から語られています。
※参考:Sky株式会社のHP

上場しないことと採用に対する関係性ですが、「お金の使い方が自由になる傾向がある」という特徴があります。上場している場合は株主との関係性があるため、大きなお金に対しては稟議事項であったり、その中で却下されたり、時間がかかったりと融通が効きづらいです。しかしながら、上場していない場合は会長ならび代表取締役社長の判断で即断即決できます。「採用にはお金をかける!」という判断すれば、無理のないラインでガンガン使えます。

Sky株式会社が採用活動に対してこれだけの投資ができているのは、上場していないことも1つ関係していそうですね。

働きがいのある企業ランキングで20位を獲得している

Sky株式会社が人気のある企業として言える理由の1つに「働きがいのある企業ランキングで20位を獲得している」ことがあります。「20位って微妙じゃない?」と思うかもしれませんが、openworksに登録されている全企業の中で20位です。要するに、日本にある企業の中で20位ということになります。実際にほか順位にランクインした企業を見てみると
1位:グーグル合同会社
2位:中外製薬
3位:リクルート
4位:セールスフォース・ジャパン
5位:プルデンシャル生命保険
6位:アビームコンサルティング
7位:P&Gジャパン合同会社
8位:ソニーグループ
9位:日本マイクロソフト
10位:デロイトトーマツコンサルティング
11位:シスコシステムズ
12位:三井物産
13位:野村総合研究所
14位:アクセンチュア
15位:電通
16位:伊藤忠商事
17位:クイック
18位:PwCコンサルティング
19位:サントリーホールディングス
といった名だたる企業が並んでいます。

「人気企業と言われながらも、本当はただのブラック企業だった」というパターンはよくありますが、中にいる人がそれなりに良い企業だと思っているというのは本当に良い企業と言えます。実態の伴う企業だからこそ、
①広告費にかなりのお金をかけて認知を取る
②数%の就活生が興味を持ち、エントリーをする
③選考が進む中で企業の評判を調べ、問題ない企業だと分かる
④それなりに高い確率で内定に進む
⑤実際に働いて良い企業だと感じる
⑥口コミで「うちの会社悪くない」という評判が流れる
という良いサイクルが起きていると言えます。実態が伴っていないと、いくら広告費をかけても効果は出ません。広告費に見合う効果が得られているのは、実態の伴う企業だからと言えますね。

年収は特段高いわけではない

人気企業ランキングに載る要因は様々ですが、年収が高いという理由で人気になることがあります。

Sky株式会社は上場していないため、有価証券報告書はありません。そのため有価証券報告書に載っている年収情報は不明です。よって別の箇所から年収を探してきました。
対象はopenworkです。こちらは企業の口コミサイトであり、働いている/いた社員がその会社を評価するサービスです。openworkの年収を見ると561万円openwork調べ)とでていました。

この年収が高いか低いかは各々が感じるところですが、年収に対するコメントを見ると肯定的な意見が多かったです。
・裁量労働制ではなく1分単位で残業が出る
・実力主義で適正年収だと感じる
・業界内であれば、平均以上だと思う
といったように、妥当な年収が支払われているため肯定的な意見が多いように感じます。

しかし、これだけでは納得がいきませんよね。
そこそこまぁまぁ良い年収というだけであり、就活生に対しての引きの強さにはなっていません。年収重視の就活生などには刺さらない企業になります。
人気の要因は年収メインではないように思えます。

3年以内離職率は低いが、長期育成感はそこまで…? 

Long-term Employment

味の素のような歴のある大企業にいる人は勤続年数が長いイメージがあります。実際に見てみると

3年以内定着率:85.1%(188人採用)
人材の長期育成ランキング:1,827位/6,334社

参考:リクナビ openwork

平均勤続年数7年(全国3000社の上場企業の勤続年数の中央値は11年前後)

平均勤続年数が短いわけではないですが、決して長いわけでもありません。しかしながら、3年以内定着率はそこそこ高い数値を叩き出しています。このことからも、新卒として入り、暫く成長する環境としてはアリという見方ができます。要するに若手層に受ける人事制度や給与設定、働き方になっていると思われます。

ワークライフバランスは…一般的なレベル…?

 holidays

Skyのワークライフバランスはなんとも言えない普通レベルだと感じました。

有給はかなり取りやすい。言って取れなかったことはない。

残業平均は30hほど。

リモートワークが進んでいない。上層部がアンチリモートワーク。
→調べた感じ部署による

参考:openwork

調べた感想は「特段大きな不満を持つ社員は少なそう」という印象でした。世の中的にワークライフバランスを推し進めている企業と比較すれば、そこまで良い状態とは思いませんでしたが、実際に働いている社員から見ると「まぁそんなに悪くはない」という意見が多かったです。これは働きがいの感じている社員が多いことが影響していると思われ、ワークライフバランスよりも成長を意識した社員が多いことがあると思いました。

また、Skyのような会社はプロジェクト単位や自社開発なのか客先常駐なのかなど、パターンが多いです。そのため、一概に言えないです。

社員の自社評価が競合と比べてかなり高い(口コミ評価が良い)

成功者

「自分の働く会社っていい会社なのかな…?」というノリで1回は自分の会社の評判を調べるかと思います。その際にSkyは調べた就活生を満足させる評判を持っています。OpenWorksに載っている評価をみてみると、
総合点:4.08(38位/6,348社中)
SIer、ソフト開発・運用の平均点:3.08
富士ソフトの平均点:2.91
TISの平均点:3.50
SCSKの平均点:3.39
大塚商会の平均点:3.27
といった数値になっております。業界内でもかなり高い数値だけではなく、競合比較してもかなり勝っています。そのため、興味を持って調べた就活生が「やっぱりこの会社ダメだった」とならないサイクルが生まれています。

安定度が抜群

安定感

10年以内に倒産する会社が9割と言われる中で
10年以上続いている企業は安定感の証拠となります。
そんな中でSkyは1985年創業であり、37年を超える企業(2022年時点)です。

また、Skyは意外?にも大阪発の企業であり、大阪内だと東京都民よりも認知度がかなり高く、ソフト開発の走りなんて言われています。そのため、歴史もあり地域に根付いている企業と言えます。

売上構成比も悪くない

安定度というのは企業年数だけでは語れません。売上構成比も大事な要素になってきます。Skyの売上構成比は企業HPに載っています。
みていただくと分かるのですが、「特定の分野に偏っていない」のが良いです。リスク分散ができており、様々な分野で一定の成功を収めている証拠と言えます。

社長が有能

Skyの特徴としてあげられるのは「ワンマン経営」です。言葉だけ聞くと良いイメージを持つ人は少ないかもしれません。しかしながら、できる人のワンマン経営程優れたやり方はありません。余談ですが、中国が躍進してきたのもワンマンとも言える独裁政権で推し進めたことが要因ですし、逆に日本のように民主的なことにこだわるといつまでたっても進まず、テンポよく進める独裁系の国に遅れを取ってしまいます。だからこそ、有能な人がワンマンで進めるのは特段悪いことではないと思っています。

Skyがここまで躍進してきたのも、有能な社長がワンマン経営で優れた判断をしてきたからと言えます。また、ワンマン経営という評価がありながらも、働く社員の動機づけも忘れておらず、一体感を持って進めることを大事にしていると感じました。そういったところも含めて、有能な社長が経営する会社だと感じました。

総合的に見たら、何か良い企業な感じがする

Sky株式会社を調べると、良いところもあれば改善点もある会社だと思いました。
そのため、「Skyじゃないとダメなんだ」とは思いません。しかしながら、色々な指標をかけ合わせると「Skyで良いんじゃない。アリでしょ」と思えてくる不思議さがありました。
・競合と比べて評価が高い
・CM等での認知度がある(友達に自慢できる。親が安心する)
・それなりに歴史のある企業
・成長できる環境がある
といった要素はプラス要素であり、
・そこまで給与が高いわけではない
・それなりに忙しいこともある
・一生勤めるような企業ではなさそう
というマイナス要素もあります。しかしながら、プラマイ→プラスではあると思います。沿う感じさせる企業だと感じました。

ささる人にはささる企業

SkyはCM等も積極的であるため、多くの就活生をターゲットにしていますが、全就活生にささるような企業ではないと思います。三菱商事やトヨタなど「みんなが入りたい」という立ち位置ではないと思います。しかしながら、「ささる人にはささる」と感じます。
・普通レベルの学歴がある
・頑張りたいマインドを持っている
・それなりに認知のある企業が良い
・それなりに評判の良い企業が良い
といったニーズを叶える企業だと感じました。超有名企業に入れるような層の次に入る層をターゲットとしており、且つそれなりに野心的で一定レベルのプライドを叶えてほしい層にはぶっささる企業だと感じました。

Skyに内定をもらう人の特徴

まずはSkyの採用事情を定量的にお話しますと
・毎年200名程度を採用
・男女比は7:3
・新卒就活にかなりのお金をかけている
ということです。実際にそのおかげでSkyは就活生人気の高い企業の1つです。200名という大量採用でありながらも、エントリーする分母がかなり多いため倍率は結構厳しい企業の1つです。

細かい面接対策や企業研究は各々で行ってもらえればと思いますが、私がSkyを調べた上で内定をもらいにいくのであれば、
・学歴に自信がなければ、補えるような原体験を用意する
・理系人材でなければ、理系人材に匹敵するような原体験を用意する
・CMのイメージを志望動機や知ったキッカケにしない
・ ありがちな「苦労して乗り切った経験」をいかに再現性高く伝える準備をする
・夢や目的意識を強く語り、たどり着くまでのストーリーを明確にする話をする
といったところでしょうか。

まとめ

Skyは採用にお金をかけており、認知度の高い企業です。そして、実態も伴っているため入社しても満足行く企業の1つです。しかしながら、何でもかんでも優れているわけではありません。個人的には新卒入社する価値のある企業だとは思いますが、10年20年働く企業ではないという印象です。成長意欲が高く、5年位でさらに転職する前提であれば新卒入社するのはアリな企業だと思います。

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