「海外駐在員」をご存知でしょうか。
日本からの出向をして、その企業の海外拠点、現地法人で働くことです。
それが海外駐在員と呼ばれるわけですが、良いことづくめです!
「超高給」「超待遇」「超成長」
知る人ぞ知る?駐在員は憧れの的だったりします。
しかし、駐在員は簡単になれるものではありません。
転職サイトで「海外駐在員の募集」を見ると分かりますが、相当な難易度です。
また、20代で海外駐在員に選べれるというのは「会社として期待してますよ!」と表れです。
なので、多くは40代、50代のベテランが担当していたりします。
日本だと部長クラス、役員クラスが担当することになります。
しかし…そんな高難易度な海外駐在員に20代で選ばれる方法があります。
私の体験を基にお話ししてまいります!
目次
結論から

②海外に強い業種
③海外向きの職種
を軸に就活、転職をする
これに尽きます。自分も含めて駐在員になっ人はここが上手かったと思います。
①②③の優先順位で重要です。
まずは大手企業を目指すことが重要です。
その次に選べるのであれば業種や職種も考えていきましょう。
駐在員になりたい方は上記を意識してほしいのですが具体的なところをお話ししようと思います。
大手企業こそ海外駐在員への最短ルート
そもそも、海外拠点のない企業に就職しても意味がありません。
海外拠点のある企業に就職しなければ、いけないわけですが、
大手企業はどこかしらに海外拠点を構えており、その数も多いです。
一方で中小企業は一部の業種を除いて、海外進出をしていません。
大手企業と中小企業の進出割合やその数の違いを説明したところ、まだあります。
それは、
大手企業➡︎若手+中堅+ベテランで海外駐在員を編成する
中小企業➡︎中堅 or ベテランが海外駐在員になる
ということです。
中小企業は40代、50代が基本で、20代が1人で駐在員をしているのは見たことがありません。
一方で大手企業は20代が何名かおり、30代、40代と満遍ない年代で編成されています。
改めて…若手が海外駐在員になるには大手企業に行くしかありません。大手企業は
・海外拠点が豊富
・若年層の育成制度の一環で20代の駐在員制度がある
という特徴があります。
大手企業に行き、能力に問題がなければ若手で海外駐在員になることは高い確率で可能です。
しかしながら、大手企業ならどこでもOKというわけでもありません。
海外で仕事をすると分かるのですが、業種が偏っています。
「●●業種は全然ないけど、◼︎◼︎業種は結構見る」
といった感じで、海外駐在員になりやすい業種とそうでない業種があります。
これを見誤ると、大手企業に行ったところで海外駐在員は叶いません。
業種選びが命運を分ける
現地法人を構えるというのは、海外でモノを売りたいからです。
自社製品やサービスを海外でも積極的に売っていくために、海外に拠点を構えるわけです。
そして、海外でモノを売るに当たり、
海外で売れる物と売れない物があります。
例えば、車やバイクを始めとした商品は世界でも人気なので売れます。
しかし、ITサービスやインフラ系は他国の方が優れていたり、国から国内企業に委託しますので、
日本が進出しても売れません。
要するによく海外進出している業種とそうでない業種があります。
進出が盛んな業種は
メーカー(特に車、バイク)
製造業
金融業
商業(商社)
建築業
運送業
情報インフラ業
サービス業(人材)
です。
海外駐在員といえば、商社マンのイメージが強いですが、そうとも限りません。
勿論、五大商社を始め多くの商社が海外進出をしていますが
他の業種も多く進出しています。
メーカーである車やバイクはほぼ全メーカー進出しています。
それに合わせて、下請けや協力会社になる業種も進出してきます。
勿論、車やバイクメーカーだけではなく、食品メーカーや日用品メーカーなどジャパニーズブランドは世界でも結構人気です。
なので、多くのメーカーとそれに連なる多業種が進出しています。
念のため、各業種に関して詳細に触れたいと思います!
メーカーに入れたら、若手駐在員はもう少し
先ほども少し触れましたが、何かわからない部品やニッチな商品を作っているメーカーではなく
誰でも知っているような業種が対象です。
TOYOTAや日産、ホンダ、ヤマハなどの車、バイクメーカーは有名どころですが、
日用品、生活必需品、素材、飲料水、調味料、化粧品、食品、アパレルなどのメーカーも進出しています。
一部抜粋だと、花王、ファーストリテイリング、ヤクルト、大塚グループなどが対象です。
これらの企業は確実に「若手育成のための海外駐在員枠」が存在します。
こういった一流メーカーに入るのは相当な難易度です。
難易度順で言えば最高ランクです。
一流メーカーに入れる腕前があれば、海外駐在員に選ばれる実力もあるはずです。
社内で成果を出しながら、積極的なアピールをして狙っていきましょう。
商社は狙い目!?
商社はモノを左から右へ。なんてイメージがありますが、それは沢山ある業務の1つです。
特に総合商社と言われる商社の業務は多岐に渡ります。
大手企業で言えば三菱商事や伊藤忠などのことです。
一方で専門商社と言われる、特定のモノや産業を扱う企業もあります。
大手企業で言えば兼松、メタルワン、長瀬産業など、大手企業だけでも数えきれない数です。
もし、20代で海外駐在員に選ばれるなら
・五大商社 or 大手専門商社
に入れば、ほぼ確実にいけます。下手したら新卒から海外駐在員になれます。
ただ、現実的には難しい話です。
もう少し現実的に話をするのであれば、中小の専門商社もアリです。
「車、バイク関係、食品関係、産業機器関連、化学関係」
この辺りを扱う専門商社であれば、結構な割合で海外進出しています。
ただ、企業規模が小さくなれば駐在員の枠は狭まります。
20代で海外駐在員に選ばれるのは少し難しい話になってきます。
製造業は一次受けまでなら若手でも可能性あり
製造業はいわゆる部品を作っていたりする会社のことです。
世の中には色々な物がありますが、それらの部品を始め、作っている企業は全て製造業です。
その中でも海外進出しているのは車、バイクに関連する企業です。
車を作るための部品関連の企業は殆どきているんじゃないかってレベルで進出しています。
海外で働いたことのある人あるあるですが、
特定の地域は日系の製造業しか無いエリアがあります。
その数は数百社です。全て工場です。なかなか変な光景ですが海外拠点の製造業あるあるですね。
その中でも1次受けを目指すと良いでしょう。2次受けからは一気に苦しくなります。
製造業は会社毎にルールが違いすぎて何とも言えませんが、会社によっては若手も連れてきている企業がポツポツありました。
将来的に海外拠点長になってほしいという表れですね。
製造業は他の業種に来る人材よりも控えめな人が多いです。
なので、積極的にうごけばその分の結果が出る可能性も高めです。
しかし、入社時点で「理系限定」だったりするのでその点はご留意ください。
金融業は新卒ルート以外難しい
金融業って色々あります。有名どころだと銀行です。
他にもリースや保険、証券、クレジットも金融業です。
これらに該当する大手企業は殆ど進出しています。
チャンスも多そうな業種ですが、そうでもないんですよね…
この業界は新卒文化が根強いので、中途で入社するのがそもそも難しいです。
よって、海外駐在員はプロパーの人が多いです。
また、業界的に覚えることが多かったり、駆け引き、動くお金の大きさより
20代に任せるには荷が重い仕事です。
早くても30代からといった感じです。
新卒からじっくりと狙っていくのであればOKですが、
スピード感を求めるならあまりオススメはできません。
個人的には景気のいい業界ではなくなってきているので、オススメはしませんね。
建築業は少し特殊です
清水建設や大林組などのゼネコンと言われるような会社、サブコンと言われるような会社など建築業界も海外拠点が多くあります。
日系製造業の工場を作ったり、現地のショッピングモールの開発やインフラ開発など他の業種と違い現地で活躍している企業が多いです。
そんな建築業業界ですが、パワー系のおじさん達が沢山いるので要注意です。
海外の入札関連、施工管理、国からの案件獲得など…まぁ簡単に言えば修羅場を通ってきた人たちです。
生半可な気持ちでは絶対に通用しませんし、
精神の磨り減り方も他の業界とは比べ物になりません。
この業界で海外駐在員になるのは、職種選びが重要です。
所謂、施工管理で目指そうと思っているのであればキツめです。
そもそも、20代で海外の施工管理を任されることも珍しいですが…
後述しますが、経理などの内勤職がオススメです。
サービス業(人材)について
サービス業って業種の括りで言えば「その他」みたいな扱いです。
色々ありすぎて括れないからサービス業ってのを用意するかって感じで作られています。
なので、サービス業って範囲がとてつもなく広いです。
基本的にはスキルを売っていると思ってくださって大丈夫です。
そんなサービス業の中でも人材業は海外駐在員が多かった印象です。
感覚的には、最も20代の社員が多かったです。
・リクルートやパーソル、パソナを始めとした大手人材系の会社
・現地で日本人がたてた人材系の会社
どこも20代がメインでした。
入社難易度もそこまで高くないですし、20代で海外駐在員も可能です。
しかしながら、1点注意してください。
他の業界よりも海外駐在感はありません。
要するにブルジョアな海外生活とは少し違います。
私の知っている企業の海外駐在員?は新卒1年目から海外勤務していたそうですが、
給与は15万以下です。現地採用以下の給与です。
定義的には海外駐在員なのかもしれませんが、現実と理想がかけ離れた海外駐在員だと感じました。
海外駐在員になるチャンスは1番高いかもしれませんが、
うまい話には罠がある
と言うことです。
まだ間に合う。海外駐在員になりやすい職種選び
既に働いているかたは何かしらの職種に従事されているかと思います。
そんな中で申し上げるのも恐縮ですが、
海外駐在員になりやすい職種と海外駐在員になりにくい職種
が存在します。20代ならまだ間に合います。
今なら職種を変えてもギリギリ首が回ります。
その職種とは…総合職(営業)、経理です。
鉄板中の鉄板でどの企業にもいます。
言ってしまえば海外駐在員の6割は営業です。
それくらい営業が多いです。経理も多く、こっちはさらに利点があります。
企業の悩みとして海外駐在員になれる経理がいなくて困っていることです。
要するに経理のほうが低倍率で海外駐在員になることが出来ます。
個人的にはかなり経理を推しています。その理由は
・高確率で海外駐在員になれる
・スキルが分かりやすい仕事なので、年齢をとっても重宝される
・営業のように、心をすり減る心配はあまりない
・1度海外駐在員になれば、スライド方式がある
※スライド方式とは自社が持つ海外拠点を転々と回ることです
などメリットのバーゲンセールです。
他にも、特定の業界のみに存在する職種がありますよね。
施工管理やITエンジニア、品質管理などなど…
これらに従事する場合、新卒から頑張って働いていけばいずれ海外駐在員になるチャンスはあります(企業選びができている状態)。
しかし、20代で海外駐在員になるのは結構ハードです。
なので、オススメかと言われるとそうではありません。
20代で海外駐在員に選ばれるためのスキル
今までの話で
・大手企業
・メーカー
・総合職
これらを兼ね備えていれば、海外駐在員になれそうですが、
誰でも海外駐在員になれるわけではありません。
若手の海外駐在員というのは、会社から見て「期待」です。
「こいつは微妙だな」
と見られている人には海外駐在員の切符は渡りません。
簡単にいえば、優秀な人材が若手の駐在員になります。
もう少し噛み砕いて申し上げますと
・日本で成績を残している
・外国語を学ぶ意欲がある(中途の若手であれば必須)
・上司からのコミュニケーション評価も高い
・海外駐在員に進む目的やビジョンが明確である
これらは最低でも持っておく必要があります。
よくあるのが、学生時代に留学していて
「(海外駐在員になりたい)」
と言う気持ちを抱えながら入社してきた社会人です。
このケースの多くは「ブルジョアな生活がしたい」と思っていたりします。
これ、見透かされていますので注意してください。
そういった自分本位な理由を持つ社会人には海外駐在員の切符は渡りません。
と言うより、優秀だと勘違いしている無能が殆どです。
海外駐在員になるには、明確なビジョンと目標があり、
それに向けて、信頼に値する行動と実績を残している必要があります。
裏ルートがある!?
今までは大手企業、業種、職種をメインに話しましたが、そこにとらわれずに海外駐在員になる方法があります。それは
日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)
です。
これらは海外にいたことのある人なら1度は聞いたことがあるかもしれません。
JETROは日系企業がよりスムーズな海外進出、ビジネスの活性化をサポートしており、
JICAは国際ボランティア、途上国支援などをおこなっています。(詳細はHPをみて下さい。)
これらの企業は日本にある全ての会社で海外勤務率の高さ第1,5位です。
ここに入ると高い確率で海外勤務になります。
海外勤務における能力に自信がある、協調力が高い、今までの業務で秀でた能力を得たなど能力が高ければチャンスがあります。
ついでに仕事は緩いです。営利企業で働いていた人にとってはイージーです。
働く国にとらわれず、誰かを支援したいという気持ちを持つかたにとってはピッタリの企業です。
新卒から海外駐在員を目指すならこの企業!
私の経験上、優れていると感じた企業は以下の通りです。
ただ、私も全ての企業の駐在員事情や会社事情を詳しく知っているわけではないので参考程度にして下さい。
上から順におすすめです。
ヤクルト・・・本質的に優れた海外駐在員を育てる環境がある(成長度No.1)
大塚HD配下の企業・・・色々な面で現地のことをよく知っている。勝つべくして勝っている企業
東レ・・・私のいた国では良い人が多かった。繊維、化学業界はまだ伸びる
三菱商事・・・言わずもがなの大企業。泥臭いことまで何でもやる名前に甘んじない姿勢に尊敬
ベネッセ・・・女性の活躍
花王・・・賢い人が多く、話の分かる方が多い
豊田通商・・・ジョイントベンチャーに積極的であり人を欲しているはず
三菱UFJ・・・安定感
矢崎総業・・・私のいた国では良い人が多かった
伊藤忠商事・・・若手ゴリゴリ系ならここしかない
知っている駐在員が良かったというその時だけの話ではなく、会社としての戦略や社内の雰囲気、社員のマインドが良いと感じました。
この会社にいるだけで成長マインドが植え付けられたり、いい仲間と出会えると感じました。
そういったことを考えずに、20代で海外駐在員になる確率だけ狙いに行くなら
・大手総合商社、大手専門商社
・各種トップメーカー
に行けば、20代の海外駐在員も夢ではありません。
まとめ
若手こそ海外駐在員を目指すべき。本当に良い経験になる
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