【実話】日本企業が海外進出で成功するための条件【他者企業の事例】

海外就職・転職系

海外駐在員をしているとよく分かります。イケている日系企業とイケてない日系企業があることが。明暗がはっきりとしており、その理由も明白です。

ただ、この事実をご存知のかたってかなり少ないと思います。もし、知っていれば多くの日系企業が成功しているはずです。しかし、実際は成功している日系企業は10%もありません。本当に日系企業は苦しんでいます。そんな辛い思いをする必要はないと思っています。

私としてはこれをしっかりと共有することで多くの日系企業が成功してほしいと思っています。
海外進出の成功が今後の日本の明暗を分けると思っているからです。

という事で、本日は海外進出する日系企業向けに成功の要因を話します。また、既に進出済みの企業にも当てはまる話なので参考にしてもらえればと思います。

目次

海外進出成功の鍵①

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日本人の現地化

これに尽きます。日本人がどれだけ現地化出来るかが全てです。
会社名は控えますが海外進出を成功させている日系企業たちは

・駐在時、駐在員の教育体制

を大事にしています。この教育を徹底的におこなうことで駐在員の質が大きく変わります。
教育体制がないと「日本での実力を100とした時、海外で40くらいの実力」になってしまいます。なので「海外でも100の実力」を出せるように準備をします。

恐ろしいことに大手企業程、日本人の現地化を意識しています。逆に中小企業程、安全や健康を意識しすぎて現地の全てと距離を置く人になります。
大手企業人材の戦闘力を100とした場合、中小企業人材の戦闘力は40程度です。彼らが海外に行くことで
大企業人材:100→100、中小企業人材:40→5
くらいになります。これがどうパフォーマンスに及ぼすかは明白ですよね?

 

言語も文化も宗教も政治も気温も歴史も何もかも違う場所に住む人たちとぶっつけ本番で上手くいくほどあまくはありません。これは一例ですが

トイレで大をするときに手でお尻をふけるのが大手企業の駐在員(必要であれば)
トイレに紙がなく、スタッフに怒鳴りつけるのが中小企業の駐在員

現地のスタッフと良いコミュニケーションをとれるのが大手企業の駐在員
二言目には現地のスタッフの悪口を言うのが中小企業の駐在員

冗談ではなく、こうなっています。何も知らない人や教養のない人が現地のスタッフにイラつくのは普通です。しかし、しっかりと知識を蓄えてコミュニケーションを図ることで相手の価値観を知ることが出来ます。現地化というのは価値観の成熟をさせていくことで。

仕事は準備と言うように現地の人たちの生き方考え方を理解する準備が必要です。

難しいことではなく、簡単なことです。教育体制のプログラムさえあれば問題ありません。
駐在員は優秀な人たちが多いので覚える力はあります。理解する力もあります。なのでそういった環境を用意して覚えさせるだけで勝手に適用できます。

では具体的にどういったことをしているのかもう少し詳しくお話しします。

駐在員の教育体制

これを聞いた時は自分の会社も真似るべきだと思いました。

とある企業は駐在員を現地化させるために以下のことをしております。

・約1年間、その国の地方に飛ばして営業をさせる

です。駐在員の多くはその国の首都で暮らします。そうではなく、1年間はその国の地方に飛ばしてしまうようです。そこで現地の方と関わらせながら営業をするようです。
※誰でも知ってる大企業がこれをしています。

何を学ばせるかと言うと
・現地の言語
・現地の文化
・現地の方が考えること
・現地の暮らし
・現地人のマネジメント
です。ただえさえ、日本と現地の人で考え方が違います。プラスして首都から田舎の人はさらに考え方が違います。そんな場所に住み、一緒に仕事をしながら1年間を過ぎると…面構えが違う(キリッ)となるようです。
言語は訛りも含めて覚えてしまいます。文化、宗教、考え方、生き方、暮らし方、働き方、生活リズム、インフラ状況…完全に超サイヤ人になっています。

駐在員が屋台で食べるのは珍しいのですが、その企業の人たちは首都に戻ってきても屋台生活をしちゃうらしいです…w

その経験が今後の駐在員生活で活きてくることは言わずもがなですよね。

 

ただ、ここまでの教育体制を組むにはある程度の資本力と体制も必要です。なので出来ない場合もあるかと思います。その場合でも必ず実施してほしいのが

・現地の言語教育

です。現地語が英語であれば不要ですが、現地語が別にあれば現地の大学でそういった制度があったりしますのでそういった所に行かせたほうが良いと思います。

 

もし、まだ余裕があれば

・現地のレポートを定期的にさせる

これは仕事的な固い話ではありません。カフェでも屋台でも自然でも何でも良いです。駐在員にそういった場所に行かせて、写真と数文のレポートをさせるだけです。
成功しない企業にいる駐在員の特徴は「現地と関わらない」ことが特徴です。そこをなかば強制的に関わらせることで成長を促します。

海外進出成功の鍵②

組織力の強化にはコツがある!カギを握るのは徹底した目標管理 | Goalous Blog
社内の組織作りを大事にし、現地企業との取引に繋げている

海外進出をする日系企業の多くは日系企業と仕事をしています。海外にありながら日系企業同士で仕事をしています。これ自体は問題ないのですが、現在のようにプロダクトメーカーの日系企業の調子が悪いとドミノ倒し方式で各企業の調子も悪くなります。こういった調子の悪い状態に対して、何も対策を打っておらずズルズル悪くなる企業もあればリスクヘッジをしている企業もあります。

成功している企業は現地の企業とも取引が盛んです。
現地の従業員が現地の企業へ営業をしており、幾つもの取引先を抱えています。

「じゃあ、明日からローカル企業に営業するか。よし従業員たちよ。行ってこい」
で行けば良いのですがそう簡単な話でもありません。
今まで適当に仕事をしていた従業員や挑戦していなかった従業員、楽なことばかり考えている従業員に何かを依頼しても何も出来ません。言葉通り何も出来ません。そういった従業員を採用してしまった、適当な状態で放置してしまった時点で解雇する方向しか道は残っていません。

私は従業員の力を信じるタイプですが駐在員を経験したことで全員には適用できないと悟りました。
やる気のあることが前提です。やる気もなければ考え方も根本から違う外国人社員には通用しません。
多くの国では労働者の権利が強いのでクビにするのも一苦労ですが、社内がどんどん腐っていくので早めに対処しましょう。
・ダメな社員が普通の社員をダメな社員にする
・優秀な社員が入ってきてもすぐに辞める
・頑張ることがダサい雰囲気を蔓延させる
組織はこのようになります。特に年配の社員だとかなり厄介なので対処は急務です。

 

話は戻して現地の企業と取引していくためには優秀な従業員、頑張る従業員が必要です。そして優秀な従業員が働きたいと思える環境、頑張る従業員が成長できる環境を用意する必要があります。そんな彼らは環境をかなり重要視します。その環境を実現していくには駐在員の力が必要です。
また、そもそもそういった従業員を採用していく必要もあります。
それについて詳しくお話しをしてきます。

 

従業員選び
海外拠点に従業員が20~30名しかいないような会社であれば最も重要なポイントです。
駐在員は前任者から引き継ぐ形なので従業員も既にいる状態です。なので簡単に従業員選びが出来ないことは分かっています。人件費の問題で増やせないことも分かります。
しかし、やるべきことなので順をおってお話します。
・女性比率を高める
・華人を増やす
・税金、移民局絡みの対応に得意な従業員を採用する

この状態を目指して下さい。特に東南アジアでは女性の方がはるかに優秀です。そして華人は優秀です。どの国にも華人はいると思いますので華人を積極的に迎い入れましょう。華人は華人とビジネスをしたがるので従業員に華人がいることでそこの道も開けます。

逆に怠惰な男性は積極的に解雇していきましょう。センシティブな話なので簡単ではありませんが、面談や居辛い雰囲気など出来ることをコツコツ進めて下さい。

組織を大きくしていく上で従業員が少ない時のメンバーはは中核になるので重要です。華人をリーダーにしつつ女性が多い組織を作っていきましょう。

注意点としては華人は同じ国の別民族と距離を置きたがる人もいます。充分な配慮が必要です。

最後に国絡みの対応ですが我々は海外で外国人になります。そうなると
・ビザ
・税務
この辺りで面倒事が発生することが多々あります。特に税はお金に関わるので重要です。日本人ではこの辺りの対応をスマートにこなすのは不可能です。それは関係性を重視するからです。ビザと税務は管轄が違うのでそれぞれ必要ですがきちんと上手くやれる従業員を雇いましょう。

 

駐在員選び
組織全体の空気というものは駐在員が作ります。ピラミッド組織である以上、これは自明です。
ただ、多くの駐在員は組織の空気を蔑ろにします。
仕事中もしかめっ面で仕事をしていたり、終いには日本人とばかり話します。そして残念なことに現地の従業員を見下してしまいます。これでは現地の従業員とは距離ができてしまうのも当然です。
最低限の指示をしてやらせる分にはこれでも最悪間に合いますが、現地の従業員がキーになって動くような仕事になる場合にはとてもじゃないですが成功する要素が見当たりません。
今までもこれからも変わりませんが日本で成果を上げてきた人を駐在員にするのは間違っています。
何よりも重要にするのは組織の空気を明るく出来る人材です。駐在員においてはこれ以上の能力はありません。そういった駐在員は現地の従業員とも上手くコミュニケーションを取り、パフォーマンスを最大化させています。嘘だと思うかもしれませんが駐在員がコミュニケーション上手な海外拠点は殆ど成果を出しています。
現地の従業員が自発的になっています。日本人では分からないような現地の情報だったり事情なども共有してくれたりしますのでそれが役に立ったりもします。自発的な状態なので物事もしっかり覚えトライアンドエラーで成果を出すようになります。元より優秀な従業員であれば勝手に仕事を取ってきたりします。
狙っている現地との取引もスムーズに進めることが出来ます。
もし、そんな駐在員がいないのであれば、、、
優秀な現地採用を雇いましょう。現地のことをよく分かっていてコミュニケーションを盛んに取るタイプが良いです。総務兼営業サポートなどで良いと思います。
経験的には「女性」は確定で「若ければ若いほうが良い」という感じです。
「現地の従業員ーー現地採用ーー駐在員」で指示系統を取りましょう。大手企業でもない限り愚策ですがダメな駐在員が指示するよりは100倍ましです。
現地の従業員のモチベーションは冗談にならないくらい仕事のパフォーマンスに影響しますので良い環境を作れる日本人を配置しましょう。

優先度

これら海外進出成功における鍵の優先度ですが

駐在員の教育>>>駐在員選び>>従業員選び

くらいの優先度です。

何を申し上げたいかと言いますと海外で成功するためには駐在員の手腕が問われるということです。
海外進出が上手くいくかいかないかはプロダクトや国のせいではありません。人にかかっているということです。

・駐在員要因がいないから駐在員経験のある人を行かせる
・日本で優秀だったから駐在員をさせる
・あまり深く考えていない

こんなことでは海外進出は上手くいきません。海外進出で成功したいのであれば慎重に駐在員のことを考え体制を作りましょう。

まとめ

これで変わる企業は1%以下

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