海外で働いたことのあるかたはご存知の言葉。現地採用。
日本本社から出向しているのが海外駐在員に対して、海外企業(日本の海外拠点を含む)に直接雇用されているのが現地採用です。
そして、多くの企業が現地採用の制度を利用して雇用をされています。
過去に駐在員をしていた頃、現地採用のかたの事情をよく本人たちから聞いておりましたが、千差万別です。
超大手企業の現地採用をしている人もいれば、中小企業の現地採用をされている方もいます。
給与に関しても現地採用内で1.5倍程の開きがある方々もいました。
とても良い環境で働かれている人もいれば、酷使されている人もいました。
そんな現地採用ですが、海外駐在員のかたにとっては悩みのタネがある人もいます。
「うちの現地採用者はなかなか育たない」
駐在員界隈で聞くと「うちの現地採用は良いよ」と聞くけれど、うちはそうでもないんだよなぁ…と思ったり。
なぜこんな事が起きるのか。そしてどうすれば、うちの現地採用もハイパフォーマンスを出すのか。育成できるのか。
これについてお話します。
コロナ禍で現地採用をクビにされた企業もあるでしょう。ただ、コロナが収まり始めれば、また現地採用を雇うかと。その時に参考にしたり…
今も尚いらっしゃる現地採用を育成していく際にもご参考にしてもらえればと。
目次
パフォーマンスは社内環境に依存する
まずお伝えしたいのがこちらです。
いかに良い人材であろうと社内環境が悪いと社員のパフォーマンスは低下します。
100が60に落ちるくらい低下します。
それ程、社内環境は重要です。
これはあくまで傾向ですが、大人の感性や価値観であればあるほど、周りの環境に依存されないですが子供の感性・価値観であると環境に依存します。
要するに感情に左右されやすいということです。いい気持ちの時はやる気を出して無理をしてでも頑張ろうといますが、やる気がないと全く動きません。不貞腐れてしまいます。
何が言いたいかと言うと現地採用のかたはどちらかと言えば感情に左右されやすいです。
社内環境が悪いとダメになりますし、逆に良ければ120%の力を発揮します。
具体的に社内環境が悪い例として
・ローカルスタッフが日本人に怯えている
・日本語の分かるローカルスタッフがいるにも関わらず、ゲスな会話を日本語でしている
・現地採用やローカルスタッフに雑用をさせている
・(海外ではNGでも関わらず)罵声が飛び交っている
・海外駐在員がしかめっ面で仕事をしている
・笑顔のないコミュニケーション
など何となく想像すれば分かりますよね。
社内の環境は社内のトップに依存します。規模が小さい会社ほどその傾向にあります。要するに海外駐在員の皆さまの立ち振舞次第で社内環境は変わります。
社内環境が悪い限り、いくら現地採用の育成に重きをおいても意味はなしません。
育成以前に長期雇用を考える
現地採用を育成するに当たり、社内環境が重要である話をしましたが、まだあります。
それは長期雇用をする視点です。
一般的に現地採用は2,3年以内に退社します。早いですよね。
その期間で退社されていては、育成しても意味がありません。
そうなると、早期退社にならないような対策が必要です。
対策を練るためには原因を知らなければなりません。
答えを言ってしまうと「年収と環境」です。
年収が低いor社内環境が悪いと早期退社します。
社内環境の話は既にしたので飛ばします。
年収についてお話します。
駐在員の年収以下になることは承知の上なので、そこまでは望んでいません。
しかし、現地採用界隈での給与は気にします。
・年収は1.5倍程
・車、住宅手当、可能であれば旅費
があれば問題ありません。
また、大手企業だと難しいですが、中小企業なら検討して欲しいことがあります。
可能であれば正社員雇用を検討すると良いでしょう。
正社員雇用となると本社との兼ね合いが入るので面倒なのは分かります。しかし、正社員雇用を前提にする場合は長期雇用が見込めます。
明らかなハズレ現地採用を採用しない
私も何十人もの現地採用を見てきましたが、半分はヤバいです。
自分なら絶対に雇いたくない系の人材です。
一方で10%は海外駐在員より優秀、同じくらいイケてる人材で20%程は全然OKなレベル、可能性を感じる人材です。
気を付けてください。人材紹介会社はあの手この手で良いように見繕って紹介をしてきます。騙されて採用しないようにしてください。
正直に申し上げれば、多少ダメでもやる気があれば引き上げることは可能です。しかし、そもそもやる気がなかったり、常識や価値観が子供すぎると無理です。そこまで面倒は見きれません。しかし、現地採用には紛れ込んでいます。
高学歴だからOKというわけではなく、むしろ高学歴の方が変な人がいます。普通なら高学歴で現地採用はしません。なのにしているということはそれなりの理由があるものです。
良い現地採用の見つけ方はこちらで紹介しているのでご参考にしてください。

適切な裁量権を与える
これは私の会社でも実施できなかったのが惜しい話です。
某大手企業がこの方式を取っており、かなり上手くいっているため紹介します。
何故か暗黙の了解で駐在員が指揮する立場で現地採用が現場で動く構図になっていませんでしょうか。
確かに、初期段階はこれで問題ありません。経験的にもそれが1番上手くいくでしょう。
しかし、時間が経てば別です。成果を出す現地作用もいます。それでも、限定的な仕事ばかりさせていませんでしょうか。
私の言いたいことは、裁量権を与えることです。人は裁量権のない仕事に強いストレスを感じます。
逆に成果を出すことで適切な裁量権が与えられ、範囲を大きくしながら仕事を出来ると満足感ややりがい、責任感を感じます。
どこまでの裁量権を与えるかは本人の力量、企業規模などにより変わるので一概には言えませんが、
某大手企業は国内にある数拠点の内、1拠点の責任者で働いてもらっていたようです。
しかし、注意していただきたいのは、どちらかと言えば男性向きの話です。女性はあまり興味がなかったり、脳の作り的に向いていないことが多いです。裁量権を与えてパフォーマンスを引き出すのは男性の方が適しています。
安全を確保する
海外駐在員は守られていますよね。しかし、現地採用は守られていない事が多いです。
雇用体系に始まり、現地での暮らしもセキュリティや安全が甘い傾向にあります。
もちろん、海外駐在員と違って望んで海外に来ているのでそれも当然と言えます。
今回申し上げたい安全は別の話です。現地採用の女性から聞いた話なので多少は湾曲されていることもありますが、複数人から聞いたので信憑性は問題ない話です。
海外駐在員がちょっかいを出しますよね。現地採用の女性に。気を遣って笑ったりノッたりしますが、「めちゃくちゃキモい」というのが本音です。
営業職だからって多少の接待や付き合いは目を瞑っていないでしょうか。そこは企業として守ってあげるのが良いです。
守られていない、ぞんざいに扱われているという心理状態は良い関係性を築けません。それは仕事のパフォーマンスに影響します。
・接待系の話があれば気にせず、共有してくれ
・トラブルがあればいつでも連絡をしてね
・困ったことがあれば相談してね。叶えられるかは分からないけど
など、心理的安全と物理的安全を図ることは大事です。
これはどちらかと言えば女性向きの話です。女性と男性の現地採用がいて女性だけ贔屓すると男性も妬むので、その場合は両方へのフォローが必要ですが基本的には女性にとって大事な話です。
優秀なローカルスタッフを雇うという選択肢もある
私の会社はこれで上手くいっていました。
正直、高確率で文句を仰る現地採用よりも優秀なローカルスタッフの方が3倍は良いです。
・シンプルに現地採用よりも賢い
・現地の事情に精通している
・ローカルスタッフのコントロールに長けている
・優秀なローカルスタッフでも現地採用よりも給与が同じか少し少ないくらい
・給与にかなり満足してくれる
・長期雇用を望める
良いことずくめです。
私の会社の場合は海外駐在員が変わることも考慮して日本語人材にしていました。
日本語が出来る場合は対象がぐっと減りますがメリットもあります。
・日本人のことをわかっている
・日本語オンリーの海外駐在員でもすんなりと輪に入れる
・シンプルにコミュニケーションに苦労しない
などがあったので、個人的にはかなり良かったです。
ただ、先程も申し上げたように絶対数が少なくなるのでそこは考えものです。
それは置いたとして、そんな人材をどのように見つけるかですよね。
普通の人材紹介に依頼するのはNGです。まず見つかりません。ハズレを引かされるのが関の山です。
人材紹介ならJAC Recruitmentでしょう。ハイクラスに慣れています。
当時はお世話になりました。
そしていい人材を向かい入れる社内環境も大事です。
・無能な人材を排除する仕組み
・ウェルカム文化
・実力者が上に立つのが普通だよね。という文化
を作っておかなければなりません。
1番最悪なのが社歴重視になっている状態です。この場合は先程のJACに相談してみましょう。組織開発も相談にのってくれます。
まとめ
前準備の多さとそこまでしないといけないなら、現地の優秀なローカルスタッフで良い。むしろそっちが良い。
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