Webプロデューサー・ディレクターが目指すべき到達点とは。10年かかってたどり着きました

大手企業社員の戯言

私は新卒の頃から事業会社でWebディレクターとして働いていました。転職した2社目ではWebディレクターからWebプロデューサーになり、PdM的な役割を果たしています。

かれこれ事業会社で10年の社会人生活を経てみたことで、
「Webプロデューサー・ディレクターが目指す到達点は何か」
がやっと分かってきました。
本日は私と同じようにWebディレクターをやっている方やWebプロデューサーをやっている方に向けて、目指すべきところについてお話したいと思います。

目次

Webプロデューサー・ディレクターの到達点とは

ずばりPdMです。
プロダクトマネージャーというやつです。私もまだプロダクトマネージャーの何たるかを完全には理解していないですし、絶賛学び中の立場ではありますが、Webプロデューサー・ディレクターが目指す到達点だと分かります。

PdMと調べると
・顧客満足度の最大化
・ステークホルダーとの関係性を構築
・プロダクトの創出
・ビジネスモデルも併せ持つ
など、なかなか難しいことが書かれていますが、Webプロデューサー・ディレクター上がりのPdMとして思うことは
お金になるWebプロダクトを創る人
だと思っています。

Webプロデューサー時代は
・AC、CVを上げる
・チームを管理する
・工程管理を最適化する
・サイトの品質を向上させる
・最適なマーケティング手法をガシガシ回していく
・営業部長たちと押し引きしながら、サービスを作っていく
・各種報告資料を作る
って感じの仕事をしていました。

Webディレクター時代は、開発ディレクターであったことから
・決まった案件を上手くリリースさせる
・ベンダー管理を上手くやる
・開発に対する理解を深める
・サーバやDBなどの裏側に対してもちゃんと理解する
といった仕事でした。

何が言いたいかと言うと、
・使うお金のことはあんまり考えていなかった
・ビジネスモデルは営業部長サイドにまかせており、サービス設計に注力していた
・とにかくAC,CVであり、ユーザー目線だった
・AC,CVを上げる目的よりも目標を大事にしていた
ということです。自分の範囲を明確にしており、お金の消費や創出は完全無視していました。

しかしPdMは異なると感じます。
ユーザーが満足するサービスに全力を注ぐのではなく、さらにどうマネタイズするのかまで考えるようになります。
「この案件でAC,CVが◯◯見込めます」がWebプロデューサー・ディレクターであり
「この案件で◯◯万円見込める上にAC,CVは□□見込めます」がPdMだと思います。

もう少し噛み砕くと
・Lineスタンプというプロダクトを創出する上にスタンプの販売でマネタイズすることまで考えつくのがPdM
・Lineスタンプというプロダクトを創出するのがWebプロデューサー
・Lineスタンプというものを作ると決まって、上手くリリースするのがWebディレクター
という感じです。

Webプロデューサーであれば、Web領域を制覇すればOKですが、
PdMはビジネスモデルを考え実装するため、営業部や法務を始めとした様々な部署が絡んできます。そのあたりともうまく話をつけて、納得してもらった上で進める必要があります。そういったことも踏まえると
・ビジネスを創出するための戦略戦術を深めること
・業界や市場を理解しきる
・各業界で使えそうなビジネスモデルを知る
・ビジネスを現実的なものに落とし込む力
・職種違いの関係者が一気に増える
・その人達にも納得してもらえるストーリーと伝える話術
といったようにWebプロデューサー時代とは頭の使い方が変わってきます。

しかしながら、プロダクトはWeb領域上にあることが殆どなので、Webプロデューサー時代の経験が活きてきます。営業上がりのPdMもいますが、お金お金になりがちであり、クライアントファーストの使えないプロダクトを作りがちです。それに比べてWebプロデューサー上がりのPdMの方がプロダクトを作る力が強いと感じます。私の知り合いをみても、Webプロデューサー上がりのPdMは活躍率が高いです。そのため、Webプロデューサー・ディレクターの到達点はPdMだと思います。

PdMになるために必須のスキル・要件

色々お話しましたが、PdMになるためには必須のスキル・要件があります。
・Webプロデューサー、ディレクターの経験を積む(事業会社だと尚良)
・世界観を描き、戦略戦術までのストーリーを作り込む力
・職種の違う人たちと同じ言語で会話できる「伝える力」を鍛える
・高い理解力(法律や経理のことなど全部は理解せずとも、要点を掴む力)
・営業の感覚を経験する
・事前に握っておく人を理解して丸め込む力
は最低限必要です。

特に苦労するのは「世界観を作る力」「営業が売れると思う感覚を持つ」ことの2つです。
Webプロデューサーはクロージング能力や整理整頓に優れていることが多いので、理解力や調整能力や伝える能力はある程度ある人が多いです。その反面、想像する力に欠けることがあります。また営業経験がないので、売れる感覚が掴みづらいです。

「どうやって会得するの?」と言われたら、本なんて呼んでないで実務あるのみと言います。
先程上げた内容はそれぞれ秀でた人や参考になる人が必ずいます。そういった人たちのことを真似てみて学んでいくしかありません。仲の良く頼れる先輩に壁打ちしながら学ぶも良し、営業同行できるならすれば良し、戦略系のことをしている人がいるなら「どうやってそういう世界観を描かれるんですか」と聞きながら教えてもらうも良し。とにかく、自分より上手くできる人を見つけて、真似ていくしかありません。

あと、重要なことは会社に属する社会人だとちゃんと認識することで。なろう系主人公のように、イケてるプロダクトをジョブスのように話しても「は?◯ねよ」と思われて一蹴されるだけです。
とにかく、事前のすり合わせが大事です。関係する人を身近な人から仲間にしていくことです。一気に完成品を見せるのではなく、ちょっとできたら壁打ちして意見をもらいながら仕上げていくイメージです。そうやって仕上げていくと、関係者たちもそのプロダクトに興味や愛情がわき始めるので、勝手に味方になってくれます。

私もまだできていませんが、IT部門、営業部門、経理部門、販促部門、役員たち全員とくだけて話せる仲であれば、超イージーになります。良いプロダクトを考えれば後は周りが良い感じにフォローしてくれながら進められるだろうと思います。自分で1から10まで考えるよりも、各職種のプロたちから有益な意見を引き出すことも重要です。それをプロダクトに上手く組み込めれば、PdMとしては一流と言えます。

PdMで給与はどれくらいか

「PdMを目指すは良いとして、いくら貰えるのか」
これは業種や業界内の順位によってバラバラですが、
私のことを言えば30前半で800万には到達しています。

ついでに、Webプロデューサー、ディレクター時代よりは上がっています。
Webプロデューサー時代(20代歳後半):650万円
Webディレクター時代(20代前半):500万円
こんな感じだったので、個人的には満足しています。

PdMはこれからさらに市場価値が上がります。なので、給与の伸びは期待できる職種です。
また、Webディレクターは将来消えると思います。Webプロデューサーは需要減少で供給過多になり、買い叩かれていくと思います。ただ、PdMは需要大で供給小になると思うので、転職も困らないと思います。

ポイントは
・成長業種に行くこと
・最初はブラックでも良いから力をつけて、早い内に大手企業に転職すること
だと思います。この2つを守っていれば、それなりに満足行く給与は貰えると思っています。

先に私の経歴について(参考までに)

PdMになった私ですが、私のキャリアをご紹介するので参考にしてもらえればと思います。

Webプロデューサー、ディレクターといっても様々です。
・制作系のディレクター
・事業会社のディレクター
といったように受ける側か否かもありますし、
・デザイン系のディレクター
・開発系のディレクター
・企画系のディレクター
・一気通貫のプロデューサー・ディレクター
など、プロダクトが出来上がるまでのフェーズを担当するディレクターもいます。

そんな分かりづらいWebプロデューサー・ディレクターですが、私の歩んだ道は
【1社目:事業会社(2,000名弱)】
新卒〜3年目:運用保守で開発以降を管理するWebディレクター(主に開発ディレクター)
4年目〜5年目:新規プロジェクトの開発Webディレクター
6年目〜7年目:サイト全体を管理するWebプロデューサー兼事業戦略担当
【2社目:事業会社(15,000名弱)】
8年目〜9年目:企画ディレクター
10年目〜:PdM
といった歩みです。

開発系の知識を身につけた後に大きなプロジェクトを成功させてスキルを定着させた後、
・サイトの数値を伸ばすための施策
・デジタルマーケティングの知識習得
・戦略を練るための考え方
などを学んでいます。自分で言うのもあれですが、開発系のことが分かっているからこそ
・各施策を行う上での規模感が分かる
・戦略を練る上でのデータ抽出が出来る
など、随所に役立っていました。

2社目では1社目の最終であったWebプロデューサーからはランクダウンして企画ディレクターとしてスタートしています。しかし、
・前職での経験を活かしやすい環境下であったこと
・Webのことが上から下まで全部わかっていること
が効いて、3年目から自社にある数あるWebサービスの内1つを任せてもらう立場になりました。

PdMになれた大きな要因

10年の社会人生活でPdMになれたのはいくつかの要因があります。
・良い先輩に恵まれたこと
・事業会社にいたこと
・Webプロデューサー、ディレクターに関する全業務を学ぶ環境(半強制)があったこと
・仕事が好きなタイプであったこと
これらはPdMになるにあたって、良かった点だと思っています。

良い先輩に恵まれたり、ディレクターの全業務を学べる環境というのは運要素が強いので、何とも言えないですが、事業会社に行くことは誰でも?できます。自社プロダクトを持つ企業であれば、Webディレクターを求めていることが多いので狙い目です。ガッツリ目指していきたいなら、ベンチャーで自社プロダクトのある企業です。人が良いことも多く、業務は無限にあります。己を鍛えるならもってこしの環境です。

まとめ

Webプロデューサー、ディレクターの時代はいずれ終わります。次のステージに移れるように、していきましょう!

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