中途社員で入ってくる年上部下との接し方。活かせるかはあなた次第

大手企業社員の戯言

ある程度の実績を積んだ方やプロパー補正で年功序列の並にのっていると、いずれ上司という立場になってきます。上司である以上、部下を持つわけですが、その部下が必ずしも年下とは限りません。有能な方であればあるほど、年上部下を持つことになります。早く昇進すれば必ずぶち当たるイベントと言えます。

ぱっと思うことは「やりにくい」だと思います。小中高大と基本的に年を主軸とした上下関係があったかと思います。年上は敬い、どちらかと言えば指示を受けることが多かったかと思います。しかしながら、年上部下に対しては敬いはしつつも指示をしていかなければなりません。

私が見てきた中ですが、年上部下に苦労する人が多い印象です。理由はいくつかあり、上司となった人がまだ若いことが多く、マネジメント経験が不足していたり、人間として出来上がっていなかったりするからです。どうしても年上であるため、思っていることを全て言い切れなかったり、心の底から納得しきれていない年上部下が上手く動いてくれなかったり…まぁ仕方ないと言えば仕方ないです。

しかしながら、あなたが上司とした場合にそういった状況を作った、更に上の上司は分かってその状況を作っています。言ってしまえば、「期待」していると言えます。そういった難しいマネジメントを求められる状況下でも上手くやれるかを期待しています。できる限り、その期待に応えることで更に上を目指したいですよね。そんな思いを抱く方に年上部下のマネジメントについてお話したいと思います。

目次

どういった関係を築くべきか

年上部下との理想の関係は「頼れる傭兵」です。
・多くの面倒は見ない
・しかし、頼んだことはしっかりとコミットしてくれる
・ウェットな関係性はつくらない
といった関係です。年下部下であれば、何かあった時にフォローをいれながら強固な関係性を作っていくことが容易ですが、年上部下には難しいことが多いです。

上司側は強固な関係性を作っていきたいと思うかもしれませんが、年上部下側が望んでいないことが多いです。表面上は上司と部下の関係性を意識した言動を取ってくれますが、心の底で納得はしてくれていません。年下部下にできるような「タメ口」「ツッコミ」「プライベートで遊ぶ」といったことを年上部下にできるかというと難しいことが多いです。された年上部下に「ウザいな」「キツいな」と思われるのが関の山です。

そもそも、上司になった理由は「上司に気に入られた」「資本主義に向いていた」だけであって、年下部下よりも「人間できている」「テクニックがある」であるとは必ずしも限りません。若い上司は「自分が優秀」だと勘違いして何でもかんでも自分の言う通りにさせようとしてしまいますが、年上部下の方が本質的に優秀であることは珍しくありません。なので、自分の色に染めようとするのではなくて相手の色を活かす方向で考えるほうが上手くいくことが多いです。持っている力をしっかりと活かす環境を作っていくことが年上部下にしていく環境づくりと言えます。

年上部下にやってはいけないこと

年下部下との関係性についてお話しましたが、その理想形を作っていく上でやってはいけないことがあります。それは「プライドを傷つけない」ことです。数値化しづらい話であり、人によってラインが異なるため、見極めるのが難しいですが年上部下のプライドを傷つけることだけは絶対にやってはいけません。

「わが道をゆく」的な人であればプライドが傷つくどうこうは気にしなくても良いですが、わが道をゆくような人はごく稀な人材であり、そもそもそんな人は企業に属して働くようなことはしていません。企業に属して働いている人は普通の人であり、普通の人は他人からどう思われるかを気にしたり、他人より優位に立ちたいというDNAに刻まれた感性から逃れることはできません。

年上部下というのはその状態で既にプライドが傷ついています。あえて口にするような人はいませんが、「あの人は出世コースにはいない」「あの人は優秀じゃない」「あの人は癖が強いから昇進できていない」など思われていると思い、自己肯定感が下がっています。そんな下がっている人に「いや、こうして下さい」「なんでそうなるんですか?」など否定して詰めるような言い回しが空気感をつくろうならば、相手はあなたに対して不信感をつのらせ、何かあった時に協力しようと思わない人になります。また、本来持っている力を発揮しようとはせずに、成果物のクオリティも下がります。

年上部下に限った話ではありませんが、年上部下に対してはプライドを傷つけることをより一層気にすべきと言えます。その上で具体的にプライドを傷つけないためにやってはいけないことについてお話します。

仕事観を説かない

誰がやられてもウザい話ですが、仕事観を話してくる人はウザいです。ウザいならまだしも、年上部下になるとプライドを傷つけることにも繋がります。
「俺の価値観が正しいから昇進したのであって、君の価値観は間違っているよ」というのを暗に伝えており、これをされた年上部下はあなたを嫌いになります。

そもそも、仕事観が良かったから上司になれたわけではなく、年上部下の方が優れた仕事観を持っていることは普通にあります。なので、あなたの浅い仕事観を話すのは非常に恥ずかしい行為です。

年上部下は年齢的には30代以上に多いですが、その年齢にもなると確固たる仕事観が存在します。なので、あなたがどう言おうともその仕事観が変わることはありません。若い上司は何でもかんでも自分のやり方に合わせようとさせたがりますが、その中でも仕事観を一緒にしようとするのは最も愚策と言えます。

細かくチェックしすぎない

若い上司は全てを自分の手の中で動かしたい願望や自分のやり方を絶対順守させようとしがちです。若い故に仕方ないといえますが、結論は間違っておりやってはいけないマネジメントです。その上、年上部下になると最悪です。1から10まで年下上司に管理されるのは苦痛でしかありません。「それでも仕事が上手く回るなら…」と思うかもしれませんが、あえて緩くポイントだけ管理するほうが上手くいきがちです。

年下部下であれば、仕事のやり方が分かっていなかったり、稚拙なことがあるため、しっかりと管理するほうが仕事の質が担保されたり、「ちゃんと見てくれている」という気持ちが連携を生むことがありますが、年上部下はそうではないです。一般的な仕事はそつなくこなせることが多いので、1から10まで管理するようなやり方は逆に舐められていると思われても仕方ありません。

管理を緩くしたことで上手く回らなかったら、管理の具合を強めていけばよく、まずは本人に裁量権を与えていくのが結果的に上手くいくに繋がりがちです。

(当たり前だが)タメ口で話しかけない

仕事の成果だけが出せる営業マンにありがちですが、上の立場であれば何でも言っていいと思っているタイプです。個人的ですが、タメ口で話しかけるのはありえないと思っています。私はプライベートで遊ぶ仲以外の人には年下であっても敬語を使います。「年下であっても自分よりも優れている部分があるはずという気持ち」と「部下にはタメ口を使って、上司にはベタベタの敬語を使う人が嫌い」だからです。人によって態度を変える感じがどうも好きにはなれませんでした。
・部下にも上司にもタメ口で話す
・部下にも上司にも敬語で話す
一貫性を持たせるためにはどちらかしかありませんでしたが、自分的には後者の方が合うと思い、誰にでも敬語で話すようにしています。

話がそれてしまいましたが、当たり前ですが年上部下にタメ口で話すようなことがないようにしましょう。

意識して取り組むこと

年上部下は年下の上司であるあなたに対して形式上は認めつつも心の底から認めていることが少ないです。そういった状態であると、あなたの指示に対して100%のコミットをしてくれることは少なく、年上部下が協力的に仕事してくれることも少なくなります。

そのため、心の底から上司であることを納得してもらう必要があります。「この人なら年下上司とか関係なくOKだ」と思われることが重要です。

口ではなく背中で語る

最も効果的なことは実力を示すことです。特に男同士の上司部下であれば、自分よりも優れた仕事人だと思われることが最も重要です。
・年上部下の仕事領域について、年上部下よりも詳しい
・年上部下よりも交渉に長けている
・年上部下よりも理解力が高い
など、優れた仕事人であることを示していくことが最も効果的です。なぜなら、年上部下になりがちな人は職人肌が多く、口下手な人が多いです。そのため、職人肌である年上部下よりも職人であったり、口下手な部分を上手くフォローできると信頼を得られます。

部下の方が詳しいことには素直に聞く

誰だって頼られると気持ちの良いものです。自分よりも業務の細かいところに関して詳しかったり、各種スキルで劣っていると思う場合は素直に聞くのが吉です。
「そんなのも分からないのかよ」と思われるかもしれませんが、それは最初だけであり、何度も聞いたり頼る姿勢を見せていけば、相手の心も開かれていきます。むしろ「上司である立場とか関係なく、素直な人だ」と尊敬に近い念を抱かれることもあります。

第三者への評判を作る

年上部下は自己肯定感が下がっていることが多く、自信を失っていたり、心のどこかでいじけていることが多いです。そのせいで無駄な軋轢を作ったり、仕事の質が変に下がっていることがあります。そうならないようにするためには、自然な形で脚光を浴びるシーンを作ることです。意図的な感じが見えると冷めて逆効果であるため、自然な形が大事です。

最も良いのは、年上部下がいないところで年上部下が優秀であることを第三者に話すことです。最も信憑性を感じる上に自然であり、時間差で効果があります。即効性のあるケースであれば、第三者がいる会議で年上部下に相談することです。褒めたりするのではなく、頼る姿を見せることが効果的です。

オフタイムの雑談では聞き役に徹する

人間は話を聞いてほしい生き物です。相手の話を聞くよりも自分の話を相手に聞いてほしい生き物です。昭和の上司と部下であれば、上司が一方的に部下に自分の話をするシーンが思い浮かびますが、完全に上司のオナニータイムであり、立場を利用してでも自分の話を聞かせたい欲求があるということです。

だからこそ、聞ける人は優秀です。優秀な人はとにかく聞く力が強い印象であり、否定せずに何でも肯定して聞いてくれます。特に女性に対してはより効果的であり、年上部下が女性であれば、とにかく話を聞くことが大事です。

 

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