衰退する企業というのはどこも同じ特徴があります。
大手企業、中小企業、ベンチャー企業など企業規模に関係ありません。企業体力の問題なだけであり、衰退期に入るとどこも同じ特徴を抱えています。
大手のほうが多角的な経営をしていたり、回避術に長けているところがありますが、大手企業と言っても安心しきれません。
中小企業やベンチャー企業であれば、あなたに影響するのも時間の問題です。待遇も悪化していきますし、普段の働きにもシワ寄せがくるのでどんどんしんどくなります。
そんな誰しもがきて欲しくない衰退期ですが、予兆やきているサインを読み取ることができます。
「なんかヤバい気がするんだよなぁ…」
という感覚的な判断に頼らずに、●●だから衰退期だ!としっかり判断できるようにまとめていきます。
目次
営業が変な方法で売上を作っている
営業の至上命題は目標達成です。
数字が作れる人間が正義でそうでない人間に椅子はありません。そこまで厳しくない会社でも営業に限っては他の職種よりも環境が厳しい傾向にあります。
それくらい会社の数字を背負って立つポジションだからです。
要するに営業の動きが会社の動きに直結している企業が多いということです。
そんな営業ですが、やることは決まっています。
・既存顧客のフォロー
・新規開拓
の2つしかありません。新規開拓がガツガツ進んでいる時は好調だと分かりますよね。
一方で既存顧客のフォローばかりしている企業は要チェックです。
企業によっては大型顧客が数社あり、そこのフォローを徹底すればOKなこともあるので一概には言えませんが、多くの既存顧客を抱えておりそれらをフォローしている形態の場合は少し色眼鏡で見ても良いです。
今の時代、景気の良い業界なんてなかなかありません。どこも苦しいんです。
ましてや、企業規模の小さい企業はビクビクものです。
そんなクライアントに新商品の売り込みや既存商品のスケールアップなんてのは簡単ではありません。
それでも会社からは厳しい目標があります。それを達成するにはどうしたら良いでしょうか。
・商品の横流しを請負う
・御用聞き化して、変な仕事を貰う
など、本命でない方法で売上を作ろうとします。利益率10%を切るような方法でも売上さえ…という感じで何でもやり始めているケースは危険です。
会社がストロングポイントを失っていることに向き合わず、数字だけを何とか担保しようと迷走している証拠です。
20代、30代の営業が辞めている
またもや営業の話です。
先ほど話したように、営業の状態は会社の状態を見るのに良い指標になります。
20代、30代の営業は現場で営業していることが多いです。
そんな営業が毎月毎月、誰かしら辞めている状況ってどうでしょうか。
理由は絞られています。
・競争力のない商材を売ることが出来ず、辛い状態になっている
・クライアントの質が悪く、辛い上にやりがいもない
・社内環境が悪すぎる
のいずれかです。30代は家族がいたり、年齢的にもそう簡単には辞められません。しかし、それでも辞めてしまうというのは相当な問題がある状態です。
20代が辞めているのも問題ですが、30代も同様に辞めている状態であれば危険な状態です。
会社によって異なると思いますが、退社の連絡がくる場合に毎月営業が辞めているような会社だと時間の問題かもしれません。
創業者から2代目以降の社長への引き継ぎが上手くいっていない
一代で会社を大きくした社長というのは経営手腕+社員のエンゲージメント+市場変化に対する反応など色々な面で優れています。
社員もそんな優秀で魅力的な社長に集まるもので、優れた社長に優れた社員たちがいるものです。
しかし、いずれは経営を渡す時がきます。そこから会社はどうなっていますでしょうか。
・売上、利益が何年も連続で落ちている
・会長権のある創業者の意見が強過ぎて、社長がやりにくそう
・上手くいかず、10年以内で交代を繰り替えしている
こんな時は危ないでしょう。社長の交代が上手くいっていないことは明白です。そういった悪循環を繰り返す企業に優秀な社員は残りません。さらに悪循環を生んでしまいます。
同族経営は絶対にNG
これに付随して同族企業についてもお話しします。
・企業の役員に社長と同じ苗字の人がいる
・大学卒業したての息子が入ってきて部長くらいからスタートしている
など身内が企業に入り込んでいる場合はかなり危険です。
経営というのは優れた人がおこなうからまわるものです。血縁関係があるからといって経営をしても上手くいくはずがありません。
※トヨタもそれを危惧して役員から身内を出して上手くいっています。
同じような理由で、社長の友達や昔からの縁で連れてくる人も危険です。むしろこっちの方が危ないです。
優秀な人がどんどん辞めていく
あなたが今の会社が衰退期に入っているか判断しきれないときは社内にいる優秀なメンバーを参考にしましょう。
優秀な人は自分の市場価値を上手く転換させていくことや会社への見切りなどにも長けています。
なので、優秀な人ほど会社を辞めていきます。
さらに優秀な人がいなくなるということは会社的には痛手です。優秀な人が辞めるということは衰退状態にあるサインであり、さらに加速させることに繋がっています。
社員にやる気がない(失ってしまった)
衰退期に入っている企業の社員は総じてやる気がない状態です。
これは社員が悪いわけではありません。社員は元々ポテンシャルが高かったり、元々やる気のある社員だったことが多いです。
しかし劣悪な環境になっていく姿や部署のトップがダメな人になることでやる気を失っていきます。
こんな状態で会社が上手くいくはずがありません。社員がパフォーマンスを発揮できていない会社に未来はありません。1度失ったやる気はそう簡単には戻りません。社員は会社や会社の上層部に不信感を持っているのでそれが払拭されることはまずありません。
そういった会社で働いていてもあなたにとってもよくありません。
やる気は伝染します。自分に変な働き方が移らないように、転職を考えましょう。
至るところでコストカットする
コロナ禍で多くのコストカットが行われているでしょう。なので、一概にコストカットが悪とは言えませんが、コストカットをしている会社は経営状態が悪化している証拠です。
・カラーコピーの禁止
・エアコンの使用制限
・PCやデスクの入れ替えをしない
この辺りも微妙ですが、
・裁量労働制で残業代を固定化する
※規定以上は記録が残らないようにプレッシャーをかける
・利益が大して減っていないのに、コロナ禍に便乗して大幅に賞与を減らす
・出張が日帰り分しかない
だと社員にダイレクトに影響します。
社員1人あたりのコストカットをすると社員分のコストが浮くので、経営側としてはやりたがります。しかし、社員のコストを削りだしたら終わりの合図です。
特に理由に納得感のないコストカットが出た時は要注意です。会社に余裕がなくなっている合図です。
社員のことをぞんざいに扱う会社に未来はないので、こちらから身を引きましょう。
セクハラなど本業と関係のないことに意識が向いている役職者がいる
そもそもセクハラ自体はNGです。その前提で聞いて欲しいです。
成長期やまともな会社はセクハラなど仕事に関係のないことに意識がありません。そんなことをしても会社は1mmも成長しませんからね。
しかしながら、衰退期にある会社は違います。役職者たちはやらなければならないことがあるにも関わらず、それに向き合おうとしません。楽をしようとしている人も大勢います。
そして何をしようかと別のことを考え始めてた結果、部下にちょっかいをかけ始めます。
コミュニケーションの活性化など適当なことをいって、必要以上のコミュニケーションを取りはじめ、終いにはラインを超えはじめます。
そんな会社が衰退状態から脱するわけもなく。。。
ハラスメント対策が疎かな会社はそもそもまともな会社ではないので、きちんとした会社に転職しましょう。
費用対効果でみれば良いツールなのに導入しようとしない
衰退期にある会社は支出を減らそうとします。それ自体は良いことですが、それに意識が向きすぎて何でもかんでもお金のかかることをしないようにします。
社員が必死に考えた
・これを入れればこのタイミングでプラスになります
・このツールを入れれば、労働時間が減ります
など良いツールであろうと一蹴してしまいます。
変化を恐れて、現状の仕組みで何とかしようとする会社に未来はありません。
企業は少しずつ衰退していきます。
経理のメンバーが不自然に辞めていく
経理と言えば会社の数字を司る仕事です。
会社の状況は数字で分かるので経理の仕事をしていれば会社の経営状況は分かるものです。
それ故に会社の状況に敏感になれます。なので危ないときも敏感に分かります。
それだけならまだ良いのですが、問題は会社が数字をちょろまかしはじめた時です。
要するに会社の不正に加担させられる時です。
そんな犯罪を誰しもが出来るわけではありません。まともな判断ができる人であれば、辞めます。
経理職のかたが何人も辞めはじめた時は危ないサインです。
特に若いかたは正義感もあるので、要チェックです。
まとめ
衰退している原因は社員のせいではありません。経営者の手腕です。
引き目に感じず、転職するのが吉です。
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