「起業するならベンチャー企業に行く」は間違い。学生が陥りがちな間違った就職先の選択を正したい

国内就職・転職系

私が学生の頃も「起業したいからベンチャーに行くわ」「将来的に個人でやりたいからベンチャー行こうかなって」という言葉を何度も聞きました。
結果、誰一人として実現していません。勿論、本人の技量もありますが、本当にそれだけでしょうか。

社会人でそれなりに渡り歩いてきたり、色々な社会人と会った身としては
・ベンチャー企業に行ったから起業出来なかった
と考察しています。

ベンチャー企業に行けば「スキルが付く」イメージが強く、それが個人で活動する時に活かせると考えている方が多いでしょう。しかし、それは間違っています。

本日は、起業するにあたってベンチャー企業に行くことの間違いと起業するなら大手企業に行くべきという話をします。

目次

起業に必要なスキル

Technical skills

改めて申し上げますが、「起業するならベンチャー企業に行こう」という謳い文句は間違っています。

起業するためにはスキルが大事という考えが先走っているからです。大々的に起業と言わずとも、個人事業主で考えている人もスキル志向が強いと言えます。

勿論、スキルがあれば越したことはないでしょう。しかし、本当に必要なスキルは別にあります。

起業するために必要なスキルは
・実績に基づく人脈とその多さ
・多少のお金
・ビジネス、社会への理解
・優秀な仲間
・自分のネームバリュー
・継続的にお金を得る経験
・高い人間力
・高い社会人力
です。言ってしまえば、イメージしがちな個の力や専門性は不要です。あれば越したことはないですが、それに時間をかけるくらいなら先程のスキルを得るために時間を割いたほうが有益です。

なぜ、このようなスキルが求められるかと言うと、起業の仕組みにあります。
起業志向のある人は「世の中に残るような革新的なサービスを出したい」など思いますが、
実際は「どこかの下請けや取引先になり、安定した収益を得る」になります。

なぜなら、そんな革新的なサービスを作って収益を安定して得るには何十億も必要になりますし、何年も必要になります。また、そもそもビジネスモデルまで見据えたまだないサービスを考えることは出来たとしても、実は既にリリースされていたり、実際は利益が望めないサービスだったり、使われないサービスになるのが関の山だからです。物理的にほぼ不可能ということです。

そして、至る結論は「会社はやりたいから、まずは既に確立されているビジネスの二番煎じで安定した収益を作ろう。何年もかけてお金と実績、経験を蓄えることで小さくサービスを作り、少しずつ大きくしていこう」となります。
これが現実です。
実際にテックキャンプで有名なマコなり社長も理想と現実のギャップで今のような形になっていますし、私の知人も同様です。ITも建築も製造業もどこでもそうですが、一部のメーカーと数万の下請けが存在するのが現実です。一部のメーカーも最初からメーカーだったわけではなく、何かの仲介業やなんでも屋みたいなことをしながら、どこかのタイミングでプロダクトが出来て大きくなっています。

 

話をまとめると、起業の実態は既にあるビジネスの二番煎じだったり、オマージュです。それをやるには専門性は殆ど不要です。必要なのは他にあります。
ということです。

そして、ベンチャー企業に行っても起業の役にならないと分かった上でどうすれば良いのかという話ですが、答えは大手企業に行くことです。
先程の必要なスキルを軸に照らし合わせていきましょう。

実績に基づく、強い人脈をたくさん持つ

Personal Connections

学生が仰る人脈と社会人が言う人脈は意味が違います。
社会人になると、お金を無視した友人や付き合いというものは難しくなります。人脈とはお金に関する利害関係が一致した時に生まれます。
それは起業においても一緒です。
「今度、起業するから仕事くれません?」
と言われた時に、仲良しだから仕事お願いしようかな。とはなりません。
「(彼のことはよく分かってる。しっかりやってくれそうだし、やりやすさもある。そして)仲良しだから仕事お願いしようかな」という言葉にならないメッセージが隠されています。

そう考えた時に必要なことってなんでしょうか。それは
・信頼されるパフォーマンスを発揮している
・そもそも外部取引をする仕事をしている
・仕事を貰えそうな有益な取引相手と仕事をしている
ことが必要です。

これは大手企業の方がチャンス大です。
ベンチャー企業は自社開発が基本です。大手企業と比べて、自分たちで色々とこなすので取引相手がいなかったり、少ないです。また、仮に取引相手がいたとしても大手企業は大きい会社と取引をしますが、ベンチャー企業は同じような規模感の会社と取引をします。
将来的に独立した時、仕事がもらいやすいのは前者です。潤沢にお金があるので、業務の一部を発注してくれたりします。

ただ、いずれにせよ信頼されるようなパフォーマンスが必要です。あなたが信頼されるくらい実績を出していなければ元も子もありません。

多少のお金をどう捻出するか

企業資金

起業すると言っても、テナント料・給与・設立費・税務処理代行費…それなりに準備金が必要です。
その準備金をどう捻出する予定でしょうか。

基本的には
・銀行
・投資家
・知人
・自分
のいずれかで容易をしなければなりません。正直、どの方法でも構いません。そして、どの方法を取るにしても大手企業にいるほうが有利です。

ベンチャー企業だと大手企業に比べて給与がそこまで高くないので、自分でお金を捻出するのが難しいのはイメージがつきやすいでしょう。
他の項目においても同様です。「大手企業の●●さん」というのは思っている以上に信用度があります。また、大手企業にいると同様にお金を持った仲間が周りにいる生活になります。不思議なもので、お金持ちはお金持ちを呼びます。その現象により、知人にもお金持ちが集まります。
もちろん、人によりますがそこから融資してくれる人も出る可能性があります。

逆にベンチャー企業だと信用度が低いです。また、周りには同じように夢を持つ仲間が集まりますが、お金があるかは別の話です。ベンチャー界隈の仲間からお金を捻出してくれる仲間を集めるのは一苦労です。

そういった側面からも大手企業にいる方が費用の捻出がしやすいです。

社会・ビジネスを知らない人が起業をしても成功しない

起業知識

仮に良いプロダクトが出来たとします。しかし、それがあっても仕方ありません。
それをどうマーケティングするかが1番大事です。Youtuberに依頼すれば良いんでしょ。デジタル広告すれば良いんでしょ。とかそんなことをしていては絶対に成功しません。

語り尽くすことが出来ませんが、大量の知識(業界、政治、宗教、心理、流行り廃り、ユーザー、国際情勢、芸能…などとにかく知識はあって損はない)が必要です。また、それらを使いながらストーリーを組み立てて、現実に即した実行をしていく必要があります。

正直、経験なしに組み立てることは不可能です。偶然ホームランを打つことはあるかもしれませんが、未経験者がこの領域で完璧なマーケティングをしかけることは出来ません。

そうなれば、必要なことは過去の成功例をなぞることです。
・●●社のやり方
・自社で過去に行われた施策
・有料で買い取っているレポート情報
など、過去の実績等を頼るべきです。これを知るには大手企業が圧倒的有利です。
・数億使ったマーケティング実績
・他社のデータ
など、多額の費用を使った実績データを知ることが出来ます。また、自身も参画することがあります。大手企業ならではの大枠で捉える仕事をすることになりますが、それが大事だったりします。

大枠で物事を知ることで社会やビジネスの全体感を捉える力が養われます。
ただ、これはいくら言葉で説明しても未経験の方にはわからないのが辛いところです。

逆にベンチャー企業だとマーケティングに力を入れていないことが多いのでその辺りの知識不足に陥ります。
また、仕事のやり方的にミクロの仕事が多くなるのでマクロな視点が欠けがちです。
これは起業するにあたって、少し物足りないです。

起業して長く運営していくのであれば、大手企業にいることで得られるスキル、知識が重要です。

大手企業には優秀な仲間がいる

起業仲間

1人で起業するなら別ですが、何名かで起業することも想定されているのではないでしょうか。
その時に大事なことってなんでしょう。仲の良さも大事でしょう。しかし、本当に大事なことは優秀な仲間なのか。です。

そうでなければ、成功もありえません。

そんな優秀な仲間を見つけるなら、大手企業でしょう。
大手企業には自分よりも優秀な仲間が何十人もいます。また、外部も含めてOKであれば取引先にも優秀な仲間がいるでしょう。
逆にベンチャー企業だと仲間探しに難航します。同じように志の高い人はいるかも知れませんが、スキルが被ることもあります。また、理想論ばかりで前に進まないパターンが起きます。
どちらの方が優秀な仲間がいるかは一目瞭然です。仲間探しの面でみても大手企業が断然有利です。

野心ある起業家は大学を卒業と同時に社長になる

学生起業

起業を志す気持ちは素晴らしいですが、現実はシビアです。
スタートアップ起業やベンチャー企業で起業する人たちは大学を卒業してそのまま起業しています。
※学生中に準備が完了しています。

まぁ当たり前と言えば当たり前ですよね。学生が終わってから起業するルールなんてないですからね。本物は学生時代にことを済ませています。

そんなレベル99の学生と大手企業に行き社会人経験豊富の人、行動力お化けの高卒たちに混じって戦う勇気と勝てる根拠はありますでしょうか。
ベンチャー企業に行けばそれは解決しますでしょうか。

少し、厳しいことを言いましたが貴重な新卒カードを淡い目標のために使うのは勿体ないので申し上げました。

再三申し上げますが、本当に起業したいなら大手企業に行きましょう。

大手企業出身の社長たち

サイバー藤田社長

今までの話は妄想でない証拠です。
実際にベンチャー企業から始まり、大きくしていった人たちは大手企業出身の方ばかりです。
もしくは、大手企業にいる間に誘われて役員をしています。

サイバーエージェント藤田氏:パーソル
ベネッセホールディングス安達氏:マッキンゼー
ディー・エヌ・エー南場氏:マッキンゼー
パーソルホールディングス水田氏:リクルート
Sansan寺田氏:三井物産
エリーパワー吉田氏:住友銀行
Freee佐々木氏:博報堂、Google
ビズリーチ南氏:モルガン・スタンレー証券、楽天
ラクスル松本氏:A.Tカーニー
ビットフライヤー加納氏:ゴールドマン・サックス証券
C Channel森川氏:日本テレビ、ソニー、Line (CEO)
グライダーアソシエイツ杉本氏:マクロミル(社長)
お金のデザイン中村氏:野村證券
リノベる山下氏:リコージャパン
ランサーズ秋好氏:ニフティ
U-NEXT宇野氏:パーソル
GREE田中氏:楽天
コロプラ馬場氏:GREE
アイスタイル吉松氏:アクセンチュア
これくらいでいいでしょうか。どこも有名且つ最近の企業ですね。これらは実は大手企業出身者が作った企業です。
合わせて調べていた際にそこまで知れ渡っていないが、確かな技術でこれから伸びるであろうベンチャー企業は学生がそのまま起業しているパターンが多かったです。
・フリーランスや個人事業主、小さ起業
・世に知れ渡るサービスを作るための起業
いずれにせよ、大手企業に行くほうが良いでしょう。

ベンチャー企業に行った友人の末路

あくまで一例ですが、紹介します。
私の友人にもベンチャー企業に行った人たちが何人かいます。
後からベンチャー企業に行った人もいます。
彼等がどうなったのか。
①フリーランス&情報商材屋
②超大手企業に転職
③「地元に帰りたい」と言いながら今も尚ベンチャー企業にいる
④起業志向は0になり、一般企業に転職
⑤海外にワーホリしにいく
⑥海外でデザイナーとしてフリーランス
こんなところです。誰一人としてまともな起業はしていません。何とか食いつないでいる感じです。
ただ、これはあくまで一例です。本当にあなたが優秀であれば関係のない話です。
もし、ベンチャー起業から大手企業に転職したい方はこちら

まとめ

悪いことは言わないです。学生の思う起業ってのは10%も理解していない発言です。本当に起業したいのであれば大手企業に入って、学んだ後に起業しましょう。

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