人(有能)に投資しない企業は緩やかな衰退をしていく。囲うべき人材とその囲い方

大手企業社員の戯言

日本という国は
・横並び文化
・年功序列
・民主的
が強い国です。かつてに日本であればそれでもOKでした。圧倒的に儲かるビジネスモデルがあり、人海戦術的に集めた人材を儲かるフォーマットに当て込んで動かすだけで成り立っていたからです。しかしながら、IT化や外資企業の参入、人口減少に伴いそのモデルは崩れています。人をとりあえず増やすのは愚策であり、有能をいかに囲って無能をいかに排除するかが儲かる仕組みを作る上で大事な状態になってきています。

しかしながら、先程述べたような文化が強いために
・有能と無能に大した給与差をつけていない
・年だけ重ねた無能な社員が若い有能社員よりも給与が高い
・大半を占める無能社員に寄せた制度ばかり
といった自体が起きます。これだと有能社員が辞めていき、無能社員ばかり残ることになります。現代社会においては有能社員の数が大事にも関わらず、無能ばかりが残ってしまえば、業績が緩やかに悪化していくことは必然と言えます。

本日は囲うべき有能な人材の特徴とその囲い方についてお話します。

目次

囲うべき有能な人材の特徴

有能な人材を囲い込むには有能な上司が必要です。無能な上司だと
・自分に従順な部下➜有能
・反発的な部下➜嫌だ
という感情的な判断に伴う昇進昇格をしがちです。そのため、いくら囲うべき人材に話してもそれを理解できない上司がいたら全てが無に帰します。

今回、囲うべき有能な人材について話す理由は無能な上司に気持ちを変えてほしいというわけではありません。有能な部下にあたる人は、囲うべき人材の特徴にあたる人が囲われている会社なのかを確認することとして利用していただきたいです。そうでなければ、居残る会社でないと分かります。また、これからマネジメントにあたる人には1つの参考情報としてみてもらえればと思います。

職人要素を持つ人材

あなたの会社は職人要素を持つ人材に対してしっかりとした報酬が支払われていますでしょうか。そうでなければ、結構危険な会社です。技術で勝負することを蔑ろにした会社に未来はありません。なぜなら、世の中的に有名になってくる会社は技術に強い会社ばかりだからです。また、技術力で劣った会社は大企業であっても廃れていったのは歴史が証明しています。

会社の形態によって職人要素が異なりますが、
IT企業であれば、ITエンジニアや技術にも明るいIT戦略家
メーカー企業であれば、電気や機械などの理系人材全般
などなど、自社にいる技術者や技術に明るい人材には会社内でも上位の給与を支払うことが重要です。しかしながら、配置転換で職種転換した元文系人材は対象外です。そういった人材を何十人とみてきましたが、1人としてちゃんと分かっている人はいませんでしたし、そもそもの考え方や思考の仕方が技術者たちとは異なっていたためです。

個人で数字を出せる上に能力を横展開できる営業

営業人材の価値は下がっています。極論、営業がいなくても商いのできる会社が理想であり、そういった会社も存在するためです。しかしながら、営業がいなくてもいいとは思っていない派です。

人海戦術的に雇用した営業人材は不要ですが、ちゃんと頭を使って論理的に仕事ができ、数字の残せる人材は必要です。そして、そのメソッドを横展開しながら、数字の残せる人材を量産できる人を昇格させていく必要があります。

要するに数から質へのシフトチェンジです。質の高い営業マンを事業部の10%以下の割合で保ち続けることは会社をより成長させていくにあたり必要な要素と言えます。

調整のうまい協力的な人格を持つ人材

判断者が軽視しがちな人材No.1なのが調整人材です。分かりやすい数字を残しているわけでもなく、ユニークな技術をもっているわけではありません。そのため、大した給与を払っているわけではありません。

しかしながら、技術ファーストが求められて技術系人材を増やしていくにあたり生まれる弊害を克服するにはこういった人材が必要です。全てのことにおいてドライで論理的な判断は必要です。ただ、人が仕事している以上はそこに感情が生まれます。そこで生まれる負の感情はいくら高給であっても耐え難いことに発展していきます。

これを克服するのがこういった調整人材です。昔の言葉では潤滑油なんて呼ばれていたかもしれませんが、ワークエンゲージメントを高める人材は蔑ろにしてはいけません。高給である必要はありませんが、市場の需要よりも高いくらいの給与を払うと良いです。

高学歴でポテンシャルを感じる若手

殆どの会社は高学歴でポテンシャルを感じる若手を大事にします。しかしながら、大事にしているのは気持ちだけであり、入社から数年は大した給与は払われません。そのため、何かのバグで入社してくれた人材も数年で辞めていきます。

人口減少している日本で高学歴×ポテンシャルのある人材というのは総量が減っています。また、情報が透明化している世の中であるため、何かのバグで入社してくる確率も減ってきています。だからこそ、せっかく入社してくれたそういった人材は大切にしつつも、それを定量的なこととして示していく必要があります。

有能な人材の囲い方

有能な人材は賢いです。その上多くを語りません。社内の飲み会で愚痴ったりもしません。彼らは気づいた時には退職願を出します。会社や上司には期待していないからです。現状が全てであり、不確定な未来に淡い気持ちは持ちません。

だからこそ、「何も言わないから今のままでいい」というのは有能人材が着々と辞める気持ちに進んでいることを推進しているのと同様です。

有能な人材を引き止めるには「未来ではなく現在で示す」ことです。かつての日本のように「いずれ上がるから」というやり方は全く通用しません。今までの常識とは全く別のやり方で向き合っていく必要があります。

管理職の方が年収が高いという常識を捨てる

多くの企業は「管理職>プレイヤー」の給与設定になっていませんでしょうか。
「うちは技術系の役職もあるよ」
という声も聞こえてきますが、
・総合職の課長ポジションと技術職の課長ポジションは同等の給与でしょうか
・総合職の部長ポジションと技術職の部長ポジションは同等の数でしょうか。
恐らく、総合職で上がったほうが有利な仕組みなっていると思います。

私の知っている企業ではプレイヤーをまとめる部長よりも技術者の課長の方が年収が高いのが普通になっているようです。

かつては人海戦術で集めた人材をまとめられる人材に対して高い報酬が支払われていましたが、現在にその需要はありません。技術ファーストの世の中になっている以上、管理者よりも技術者に高い報酬を支払うのは自然です。

年収に2.5倍以上の差をつける

日本に残る悪しき風習の1つに横並び文化があります。分かりやすい話だと
・超優秀な新卒
・無能な新卒
に同じ報酬、もしくは近しい報酬が支払われていることです。

伸びている会社はこういった横並び文化を廃止しており、
「○○さんは何人分の価値があるのか」
という考えを大事にしています。

言われてみれば当たり前の話です。
・社内にいる優秀な人材をもうひとり雇うためにどれだけの労力が必要なのか
・有能な○○さんとそうでない✕✕さんと□□さんのどちらを残すのか
など、優秀な人が何人分の価値かを考えれば支払う報酬も異なるはずです。

しかしながら、何も言わないからという理由で優秀でない社員と近しい給与を支払っていてはいずれ後悔します。世の中が資本主義である以上、社内の報酬も資本主義を進めなければ…ということです。

私がみてきた感覚だと
・優秀な新卒であれば、初年度から1.25倍〜1.5倍
・優秀な社員であれば、2倍〜2.5倍
くらいの差が必要と言えます。400万の新卒であれば500万〜600万を支払い、500万の社員が多い会社であれば、1,000万円以上は支払う必要があります。

積極的な降格を取り入れる

すべての企業は昇進昇格があります。しかしながら、降格のない企業や降格をなかなか実施しない企業が大半です。部活動でレギュラーを決める際は優秀な1年生や次のキャプテンになりそうな2年生をレギュラーにして今までレギュラーだった3年を控えにすることで勝利を掴むにも関わらず、会社だとそういったことに積極的になりません。

しかしながら、
・この人は長いから
・1回あげちゃったからね…
といった理由でパフォーマンスの低い役職者に600万、700万を支払う理由はありますでしょうか。そんな役職者をみた中途社員1年目はその会社に期待をしますでしょうか。
・この会社は年功序列なんだ
・この会社は本質的ではないことをするんだ
など、会社への信頼はなくなります。

不相応なポジションにつく役職者を降格させないことは、新しく入ってくる社員の期待を下げることにもなりますし、年功序列ならそこまで頑張らなくていいというワークエンゲージメントの低下にもなります。

年功序列の廃止は当たり前

最近は年功序列が廃止されている会社も増えてきていますが、まだまだ残る風習の1つです。年功序列はかつての日本において有効な方法でしたが、現在の日本においては殆どメリットがありません。

もはや細かい説明は不要ですが、年功序列が残っているのであれば廃止していく方向にもっていくべきです。これは従業員数の多さは関係ありません。むしろ従業員数の多い大企業ほどこういった取り組みを積極的に行わなければ、いい人材の獲得ができません。

まとめ

再三申し上げますが、有能な人材を囲い込めるかが企業成長の鍵になります。

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